君に伝える。
「どしたの、じゃないよ!
 黒板見てみなよ」

言われたとおり黒板を見ると。

“佐藤 麻子は実は猫かぶりキャラです。

 ただのインランです”

わお、何これー。

しかも赤文字っていう…

まったく、赤いチョークは重要な語句を
書くのに使うんだよっ!

「もう、ヤダなぁ。
 あたし猫の着ぐるみなんか着てないし!
 そんな可愛くないし」
「インランってどういうこと?」

あたしの横にいた女子が聞く。

「インランって、たぶんスズランと
 間違えたんだよ。上靴にもあった」

上靴を見せると。

「ぶあははははは!!!」
「ひー、もーやだ麻子」
「天然すぎだろー!佐藤マジうける」

え、え!?
何あたしそんな面白いこと言ったっけ!?

「あ、あたし天然じゃないしっ」
「天然だろっ」
「まぁこんな子が猫かぶれるハズないよね」
「インランなわけないし」

むぅぅー。
なんか気にくわないっ。

ま、いっかぁ。
誤解(?)とけたみたいだし。


あたしはまだ、この事件が続くなんて
思ってもいなかった――――――
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