君に伝える。

さぁ、認めなさい!
麻子に謝るのよ!

しかし、楠城は悪びれた様子もなく。

「…そうやで。悪い?」

なんだとコイツっ…!!

「悪いに決まってんじゃん」
「なんで?」
「なんでって、人の嫌がることしたから」
「麻子は嫌がってる様子なかったけど」
「アンタに分かるわけないでしょ」
「分かるで。
 そや、うち早く行かなアカンねん。
 友達待ってるから」

ムカつく…

あんなの友達じゃないに決まってるでしょ。

「彩菜、ゴメンお待たせ!」
「…あ、うん」
「悪いな喜田。待たせちゃって」
「なかなか鼻水が取れなくて」
「麻子の鼻水粘着力すげぇんだよ」

あ、そういう情報いらないっス。

それより楠城のやつ、マジ嫌!
あんなのと明後日から修学旅行行くなんて
考えられないし!

「そーだ、今日4人で買い物行こうよ!」
「明後日から修旅だしな」
「石神君も誘ってさ」
「おー、いいねぇ」
「…うちも、行きたいなぁ」

ふと横から声が聞こえた。

「楠城…」
「野乃花ちゃん」

マジ、最悪。
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