君に伝える。

教室が静まり返る。

そりゃそうだよね、怖いもの。

「ゴメンね、皆。
 怖い思いさせて」

でも、仕方ないよね。

こんなに証拠がそろってるんだもん。

だって今日は13日の金曜日だし、
朝はすごい雨で1回雷鳴ったし、
おまけにチェーンソーで机を切られてる。

こんなの、ジェイソンしかいないじゃない。

「ぶふっ…」

一人が変な声を出す。

「ぶははははは!!!」
「ひー!あはははははは!!!」
「やだー、あははは!麻子ったら」

え、何!?

皆怖さで頭おかしくなっちゃった?

「ど、どうしたの…」
「ジェイソンなんかいるわけないでしょ」
「だって、今日13日の金曜日だし…」
「馬鹿、ホントに馬鹿なんだからっ」
「え、違うの?」
「違うに決まってんでしょー」

えぇ~…なんだぁ。

でもよかった、ジェイソンじゃなくて。

怖かったぁ。

「もぉ、笑い過ぎて涙出てくるじゃん」
「えへへ、だってそうだと思ったもん」

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