君に伝える。
腕をねじ上げていた1人に頭突きする。
「痛ぁ!」
「あたしのが痛かったもんねっ」
腕が解放されると、
今までの痛みが一気に緩んだ。
「あぁー、ホント痛かったぁ」
「…油断は禁物やで?」
野乃花が言った瞬間、残りの2人が
あたしめがけて水をかけた。
「冷たっ!さっむぅ~」
それでも麻子はめげないよっ!!
1人の平手打ちをよけ、
脚をひっかけて転ばせる。
もう1人があせっている隙に、
そっと前に出て軽く回し蹴りをする。
「……チッ、面倒やな」
「へくしっ!!」
「正々堂々、勝負しよか」
「あたし、そういうことしたくないから」
こういうときは潔く背を向けて去るんだよ。
それが一番!
実を言うと、痛い思いをしたくないんだよね。
「麻子、アンタ気付いてる?」
「何に?」
「うちが麻子の上靴に落書きしたのとか、
黒板に麻子の悪口書いたのとか、
プールのときわざと氷水かけたのとか、
麻子の机まっぷたつにしたのとか」
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うそ、あれ全部野乃花ちゃんがやったの?