君に伝える。

「うちはな、ずっと郁が好きやった。
 アンタもそれは知ってたやろ?」
「相談されたから知ってたよ?」
「なのに、郁は麻子が好きやったんや」

郁君があたしを好きだった?

それは、どういう意味なんだろ。

「恋愛感情で、好きやったらしい」
「そうなの。
 …で、どうしてあたしを恨むの?」
「郁に取り入って、ブリっ子したから」

取り入って、ブリっ子したって……
そんなこと1度もした覚えないんだけど。

う~ん。
よく分かんないけど、誤解してるね。

「あたしそんなことしてないよ」
「ウソや!麻子、アンタはなぁ!!」

「ウソじゃないに決まってんだろ」

この声……原岡君?
どうして、いるの?

「麻子、大丈夫か?ケガしてないか?」
「あたしは、大丈夫だけど…」
「クラスの男子に、麻子の居場所聞いた」

助けに来てくれたの?

すでに3人とも倒しちゃったけど……
いいとこ取っちゃったけど←

「楠城、麻子はそんな演技できねぇよ」
「わ、ひどい!あたし演劇部なのに!!」
「ウソだと思うなら、麻子の演技見てみろ」

うぅ~……
それなりに上達したんだけども。

「コイツは単純で天然で純粋で正直者だ」
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