君に伝える。
「うっま!めっちゃおいしい...」
「ホント?良かったぁ、まずかったらどうしようって思ってたんだ」
「佐藤パティシエとかなれんじゃね?」
「無理無理!あたしなんか...」
あたしなんか。
さっき且元さんに初めてあんな事言えた。
自分の思った事、ちゃんと口に出せた。
ホントに初めてだった。
ろくに自分の意見を言えないあたし。
あたしなんか、何の役にも立たないよ。
「そうかなー。俺結構この味好きだよ」
す、好きっ...!?
ハッ!過剰に“好き”に反応しちゃった。
「ありがと」
「俺、佐藤がパティシエになったら、そのお店の常連になる」
「あはは!気が早いよ~」
なんか、あたしでもパティシエになれる気がする...