君に伝える。
あたしショックで閉め忘れてたんだ。
なんて不用心な…

「鍵かかってなかったし、そのまま不法侵入してみました」
「彩菜ぁ…会いたかったよぉ」
「ごめんね麻子」

彩菜がほほ笑む。
あたしは彩菜のその顔が見たかったよぉ。

「彩菜もね、麻子の顔見たかったんだけど」

彩菜も!?同じぃー…
最後の“けど”が気になる……

「すごい顔ね」
「へ?」
「アンタどうやってこんなに顔腫らしたの」
「一日中泣いたからだよ~」
「そう…ゴメン、ホントに」


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