君に伝える。
あー、やっぱり顔の整ってる人はいい。
微笑むだけで心がなごむ。
あたしの指についた血を拭き取ると、
原岡君は絆創膏を貼ってくれた。

「よし、お前はもう帰れ!」
「へ?なんでぇ??」
「佐藤は帰って傷口を消毒すべし!」
「大丈夫だよ。それに1人じゃ仕事大変でしょう?あたしも学級委員だもん」

お願い、ここだけは強情を張らせて。
原岡君になんでも頼むわけにはいかない。
だから、何でもいい、仕事をさせて。

原岡君の、役に立ちたいの。

「んー...じゃあ、1個頼むわ」
「うん!何でもする!何すればいい?」
「...俺が帰るの、待ってて」
「分かった!待ってる」


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