君に伝える。
「実はね…されたの」
そう言って携帯を見せる。
「やだ、何送ってるのアンタ!?」
送信履歴を見たらしい彩菜が爆笑する。
「何送ってるのって…メールだよ?」
「違うよっ!これ、麻子自覚なかったの?」
「…へ?」
「天然じゃないって…天然でしょアンタ!」
「ち、違う~!あたし食材じゃないっ」
「天然の意味が違うわ!」
意味が違うって、他にないじゃんか~。
「麻子さぁ、彩菜の長所で“天然”って言ったよねぇ?アレはどういう意味の天然なの?」
「自然でとれた鮭みたいに元気って意味」
「……」
「あ、あと添加物みたいなのが入ってなくて正直っていう意味」
「馬鹿かアンタは」
やだなぁ、彩菜ったら。
あたしが馬鹿なことくらい知ってるでしょ。
ホント忘れっぽいんだから。