君に伝える。

「まぁいいわ。とりあえず彩菜の怒りの原因話さなきゃね」
「うん」
「彩菜ね、石神が麻子のこと好きって知って、悔しかったんだ。もちろん麻子は悪くないんだけどね、でもなんで麻子なんだーって」
「なんで石神君があたしのこと好きって分かったの?何も言ってないのに」
「呼び出されたでしょ、昨日」

……………はっ!!
果たし状のときか!
あの時、告白しようとしてたのか。

あ、今結構あたし勘鋭かったよね?
キャー、ちょっと進歩したぁ。

「その時に、分かったんだ。告白以外に石神が麻子を呼び出す理由ないでしょ?」
「考えてみれば、そうだねぇ。委員とかも同じじゃないしねぇ」
「でしょ?でも、麻子は決闘だと勘違いした」

聞き間違いだったのか。
最近多いなぁ、聞き間違い。

「そんで、麻子に長所とか言われてるうちに悲しくなってきちゃって。なんで好きな人の好きな人に彩菜の長所言われなきゃなんないのって」

ややこしいな…
好きな人の好きな人だから、
結局あたしに長所言われるの嫌だったのか。

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