君に伝える。



「それにしてもすげぇな佐藤」
「何が?」
「陸上部の俺に追いつくとは…」
「無駄に脚が太いワケじゃないんだよ」
「そんな太くないだろ」
「太いよぉ、見てよこの贅肉!」

笑顔でふくらはぎを見せる佐藤。
贅肉と言ってるわりには、太くない。
まぁ細いわけでもないけど。

「で?何の用?」
「さっきはテンパってて言い忘れたけどね、今日の放課後また残れって」
「またかよ~!?多くね?残るの」
「多いよ~。あたしクラブ休まなきゃな」
「俺も」

佐藤クラブ入ってたんだ。
知らなかったな…
俺、まだまだ佐藤のことで知らないこと、
いっぱいあるんだなぁ…

なんだか、少しさびしさを感じた。


「あ、そだ原岡君。これあげる!」
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