泣き恋心


「で?楼栗。寂しいんだ?」

はぁ…きた。

「そーですけど?何か?」
「別に?いやぁ寂しいとか思ってくれてるんだなと思って」

何だ何だ!
こっちは正直に言ってやったのにさぁ?

「はいはい!で、叶矢は寂しいとか思わないんだ?ひどいなぁ…」

ホントひどいわぁ…。

「ん?別にそんなこと言ってねーし?」
「あっそ!じゃ寂しいわけだ?」
「…あーそうですよ!寂しいですよ!」

やっと認めたか。
ふん!私の勝ち!

「あーやっぱりー?そうだと思った!」
「俺はお前にベタ惚れだ!」

おーおーおー!自信満々に言ってるわ!

「へぇー?ベタ惚れなのー?」
「あーそうですよーだ!」
「わかってんじゃん?」
「当たり前だ!」

はは。やっぱり叶矢は面白い。
でももうすぐ卒業…。
寂しくなっちゃう。

「まぁさ4人で残り少ない時間を楽しく過ごそうや?」
「そうだね!思い出残したいよね!」
「うんうん!2人が卒業しても心が離れることはないんだし!」

そうだよね…。心が離れることはないんだよね…。
なら安心だ…。
残り少ない叶矢との時間を…。
大切に過ごそう。
今のこの時間も。
あっ!そうだ!

「4人でさ!どこかにお出かけしよーよ!」
「いいかも!どこ行く?」
「うーん…男2人はどこがいい?」
「「ん?二人に任せるけど?」」

…ダメだこりゃ。
ちえりと二人で考えるしかないか…。

「じゃぁ二人で考えとくから!」

そう言ってそれぞれ教室に戻った。
あっ!こーゆうのって紅に聞くべきか?
聞いてみよっと!

「ちえりー!紅に意見もらってくる!」
「りょーかい!でも叶矢くんがやきもち妬くかも!」
「まさか!じゃ行ってきまーす!」

そして紅を探しに行った。
もちろん授業をさぼって!
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