泣き恋心


「あれ?涙梨は?」
「あぁ…気分が悪いからやめとくって!」
「そっか…!じゃぁあとで飯持ってくわ!」
「うん、ありがと!」
「じゃぁ食べようよ~!お腹すいたよ~!」
「わかったわかった!じゃぁ頂きます!」
「いただきまーす!」

私たちは次々と出てくる料理をおいしく食べながら、楽しく過ごした。

「じゃぁ俺と楼栗はこっちだから。後で持ってくな?」
「りょーかい!じゃぁね楼栗!」
「バイバーイ!」

私は楼栗たちとわかれた。
部屋に戻るとカードキーを差し、ドアを開けた。

「あれ…真っ暗…電気」

私は手で電気を探した。
そのとき、ドアが閉まると同時に
グイッと誰かにつかまった。

「えっ!?ちょっ…誰??」
「俺だよ…ちえり…」
「ひや!」

私は涙梨に後ろから抱きしめられたあげく、耳元でささやかれた。

「ご飯…おいしかった?」
「うん…おいしかったよ…?」
「そっか…良かった…俺…お腹すいたなぁ…」
「食べてくれば?ってか叶矢くんが持ってくるって言ってたよ?だから電気つけて、TVでも見よ?」

すると涙梨は私を抱えて椅子に座らせ電気をつけた。
そして再び私の前に戻ってきた。

「あれが今食べたいもの…ちえりわかるか?」
「え?食べたいもの…かぼちゃとか?」
「ブー!俺が食べたいものは…」

今、何が起こったのだろーか…私は一瞬、記憶が飛んだようだった。

「…ㇷㇷッ今何が起こったか理解中?」
「ふぇ!?えっ!…もしかして…キ…」
「キス?」
「それ!…したでしょ!今…」
「したけどさ…初めてじゃあるまいし…たくさんしてんじゃん?俺と…」

この人はよくもまぁそんな恥ずかしいことを!!

「そうだけど…///」
「とにかく…今たでたいのはちえりぐらいかな?それ以外は受け付けない…」
「…涙梨…///」
「いい?」
「ダ…ダメ…」
「ダメじゃない…てか拒否権ないよ?」
「…と、とにかくダメ!それに…叶矢くん来るし…」
「別にいいじゃん…見せつけてやればさ?」

そう言ってどんどん近づいてきて鼻があたるところまで来てストップした。

「…///」
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