泣き恋心


「ちえり…」
「……」
「目を見て…?ちえり…」

私はチラッと見てまたそらした。
だって恥ずかしいから…。
それが気にくわなかったのか涙梨は私の顎をつかんだ。

「いいかげん…なれろよ…」

涙梨は顎をクイッとあげ、キスをした。すごく長いような…・
でも私は叶矢くんの存在を思い出した。

「やっぱ…ダメ…叶矢くんが来ちゃう…」
「そんなん関係ねぇーよ…来たってアイツには関係ないいだろーが?」
「そ…そうだけど…」
「だったらいいじゃん…口答えすんな…」

そう言ってまた続けた。
その時だった。
ピンポーン…

「ん…誰か来たよ…?」
「…チッ…邪魔されたな…」

そう言いながら、涙梨はドアの方へと行った。

「おー!涙梨ー!!大丈夫か?」
「おー大丈夫。邪魔されなかったら大丈夫だった。」
「あ!もしかして…お邪魔だったとか?」
「そのもしかしてだよ…この…いつか仕返ししてやるからな…」
「やれるもんならやってみろ!じゃぁなー!あっこれサンドウィッチ!俺の手作り!」

そう言って叶矢くんは帰って行った。

「サンドウィッチか…まぁ悪くはないな…」
「よかったね涙梨!叶矢くんの手作りサンドはおいしい1って言ってたよ!楼栗が!」
「へぇ~そんなもんか!じゃぁ一口!」

涙梨は一口食べた。

「うま…」
「おいしいの?私も食べたい!」
「な!お前さっき食っただろ!?」
「だけど叶矢くんのサンドは食べたいの!」
「じゃぁー…俺にキスしたらいいけど?」
「…じゃぁいいです」
「あっそ…ホントこれおいしいなぁ…」

涙梨は私に向かってそう言ってきた。
そんなことでつられる私じゃないっつーの!甘く見るなよ!
< 114 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop