泣き恋心


そして卒業式当日を迎えた。

「楼栗~おはよ!」
「おはよ!ちえり!」

なんでちえりと一緒かというと…
私と叶矢、ちえりと涙梨はあえて一緒に登校しないようにしたんだ。
朝会っちゃうと…寂しい気持ちとかいろいろ顔に出ちゃうから…。
それはちえりも同じみたいで、私たちは一緒に行こうと昨日の夜に約束をしたんだ。

今日かぁ…。
ついに叶矢たちが卒業…。
実感がわかない…。
今日は叶矢と約束したから涙は流さない。
笑顔で送ってあげるんだ。

「楼栗…もう二人とも卒業だね…」
「そうだね…寂しよね…」
「うん…笑顔で送ってあげようね?」
「…うん。」
「私…涙梨を笑顔で送る!でも…無理っぽいの」
「え?」
「だって…やっぱり寂しいじゃん?涙出るかもしれない…」
「大丈夫だよ!私も危ないもん…。でも頑張って笑顔で送るようにする!」
「うん!なるべく…ね?」

そう言いながらも、ちえりは泣いてしまうんだろうか…。
私はハッキリ言って自信がない。
寂しいのがホントの気持ちだから…。

そう話しながら学校に就いた私たち。

門をくぐると後輩が先輩に花束を渡したり、手紙を渡したりという光景が見られた。
やっぱり…今日…か。
私たちはすぐに教室に向かった。
すると優利が走ってきた。

「おはよ!二人とも!」
「「おはよー!」」
「あれ?今日は卒業式なのに涙梨先輩と叶矢先輩と来なかったの?」
「あ…うん!あとで会うからさ!ね?ちえり!」
「う、うん!そうなの!」

たとえ優利でも泣いちゃいそうだからとかいう理由で来なかったとか言えないよ…。
恥ずかしい…。

「あっ!そろそろだね!体育館に移動しようよ!」
「あ…そうだね!」

そして私たちは体育館に行く準備をした。
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