泣き恋心


行きながら三人で話をしながら体育館に向かった。
何の話かというと…

「優利は将来なりたいなって思ってることあるの?」
「えー?どうしたの?いきなり」
「あ…気になって!」
「ふーん。私は栄養士になりたいなって思ってるの」
「栄養士??すごっ!」
「そう?二人はないの?」

うーん…。
私はなりたいものはないかな…。
でも看護師とかは憧れかも…。

「私は…看護師がかっこいいなって思ってる」
「え?私もだよ~」
「二人とも…一緒ってそれこそすごいことよ??」

こ~んな話をしながら体育館に向かう私たち。
この三人で過ごせるのもあと1年。
叶矢たちとお別れは今日のこの日。
もう少しで叶矢たちの卒業式が始まる。
絶対泣かないもん…。
笑って祝福するんだもん…。

そう思っていた私はどこに行ったんだろうか…。

「そろそろだね!」
「うん…」

「卒業生!入場!」

そしてどんどん卒業生が入場してくる。
叶矢も涙梨も…。
今日の二人はきりっとしていていつも以上にかっこよく見える。

卒業式中…私はこれからのことを考えていた。
叶矢が卒業したら…私の学校生活はどうなるのか、叶矢と会える時間はあるだろうか…
そんなことばかり考えてしまう私。
私と叶矢はずっと一緒にいれるかどうかなんて…わかるはずないけど…。
ボーッとしている私に声をかけてきた人物が…。
それは

「楼栗…楼栗…大丈夫か?」

え…?誰?
声をした方を見るとそこには紅がこっちに向かって話しかけている。

「何??」
「いや…ボーッとしてたから大丈夫かなと思ってさ」
「あー…大丈夫!!」

紅は私の事はなんでもわかるんだね。
出会った時も、付き合った時も、そして今も…。
エスパーですか!!
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