泣き恋心

そして私たちは教室へと向かった。
私の席どこだろ…。
え…っと窓側の一番後ろ…。
ん?やったぁ!めっちゃいい席じゃん!ラッキー!

「いいなぁ楼栗!一番いい席じゃん!」
「へへ…!いいでしょぉー!」

隣の席にちえりが座って
そんな会話をしていると

「そこどいて…俺の席。」
「あっごめん…」

先生来たから戻るとちえりは自分の席に戻っていってしまった。
そういえば隣の人さっきぶつかった人だ…。
先輩じゃなかったんだぁ…てっきり先輩かと…。
謝らなきゃ!

「あっあのー…」

その人は眠たいのか伏せている。

「ん…何?眠たいんだけど…」
「え…えっとさっきはぶつかってごめんなさい。」

その人は えっ!? とした顔で

「楼栗!さっきの!」
「えっはい…何で私の名前…」
「え?あっ!変わった名前だから覚えただけ。それにぶつかったこと気にしてねぇーし」
「そっか!よかった…」
「何が良かったの?」
「えっあなたが怪我してなくて!ぶつかったときに少しよろけてたから」
「ふーん。怪我はねぇよ!あっ!俺…中村 紅(なかむら こう)!」
「私は宮田 楼栗!よろしく!何て…呼べばいいのかな?」
「紅でいいよ。お前は楼栗でいいか?」
「うんいいよ!」
「りょーかい!てか、お前のこと気に入った!だからさ、ほれ!屋上の合鍵!俺とお前しか持ってないし、入れない。他の奴に言うんじゃねーぞ!」

なんなんだ?気に入ったって?
でも友達になれた。
それに合鍵も!すごい!紅って何者!?

「うん!わかった!」

そして私たちはケー番とアドレスを交換した。
その際も

「ケー番、アドレスはお前と家族と…あとクラスは違うけど京太(けいた)っていうやつしかしらねぇから誰にも教えるなよ」

って…。
ホント紅って何者なんだろ…。
それから先生の話なんて聞かなくて紅とばっかり話していた。
紅とはいろいろ似たところがあって意気投合していた。
だから先生から注意されていたなんて気づいてなかった。
私と紅は先生に呼ばれ、怒られた。

「仲良くすることはいいことだが、先生の話も聞けよ。」
『はーい』

そして先生がどこかに行ってしまったあと二人で笑った。
なんか紅といると楽しいな!いい友達ができた!
ちなみに紅以外にも女友達もできたし、男友達だってできた。
これからの高校生活は楽しくなりそうだと私は思った。でも一つ問題が…。
あーッ!!忘れてた。

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