泣き恋心


楼栗side

「元カノと何してたの?」
「それは…たまたまあっちが俺に気づいて…」
「言い訳なんか聞きたくないから…」

私は紅の話を聞かずに駅を出た。
本当は聞きたかったんだけど…「元カノ」というフレーズを聞いた瞬間、聞くのが怖くなったんだ。
だけど、元カノだから…別に聞いても良かったかもしれない…
だって今の彼女は…私なんだから…。

「あれ?あなた、もしかして…楼栗さん?」
「え?あっ…あなた、さっきの…」

後ろから声をかけられたので振り向くと紅の元カノがいた。

「そうだよ?私さっき紅と一緒にいた真美です。こんなところで何してるの?紅とデートなんじゃないの?」
「別に…」
「あっ!もしかして私と紅が話してたから…妬いちゃってそのまま帰ってきちゃったとか?」

ふふっと笑っている真美に少し苛立った。

「そんなんじゃ…」

図星だった…彼女に言われたことが…

「そか~!じゃぁなんで今、紅と一緒じゃないの?」
「なんでもないよ!!てかさ、“紅”って呼ばないでよ!私の彼氏なんだから!」
「呼ばないでなんて…偉そうに…私から紅を奪ったのはアンタじゃないの!」
「それは…」
「あら?何も言えないわけ?そうよね…だって本当のことなんだから…あなたのも言っておいてあげる…私、今でも…紅のこと好きだから…」

そう言って真美さんは帰って行った。
そうだよね…私が真美さんから紅を奪ったのよね…
なんか…ちょっと…複雑だな…そんな気持ちでいっぱいで…
正直苦しかった…。
私…真美さんにひどいことしたのかな…。
真美さんから紅を奪ったのは私…。
だとしたら真美さんのもとに紅を戻した方がいいのかな。
頭痛い…なんで私は人を傷つけることしかできないの…?
私…最低だ。叶矢も紅もそして真美さんも…。
私が皆を傷つけてしまっているのなら…別れた方がいいのかもしれない…紅と…。
私はしばらくフラフラと歩き、そして家に帰った。

「ただいま…。」
「あっ楼栗!あなた宛てにプレゼントあるわよ
!」
私は愛子さんから荷物を受け取り部屋に行きプレゼントを開けた。
その中にはネックレスと手紙が入っていた。
手紙を開けると…


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