泣き恋心
「そう…残念…なら…おい!テメェにチャンスをやる…アイツをボコボコにしろ…!女の方だ…それでチャラにしてやる…」
「は…はい!」
男は安堵の笑みを表し、楼栗の方に視線を向けた。
このままだと…楼栗が危ない!!
「楼栗!!」
俺は楼栗にかぶさった。
「…叶矢!!」
「どけよ!どけー!!俺は!コイツをボコボコにしないと…」
「うっ…あっ…!」
「叶矢!いいから!どいて…!」
「どけるかよ…。うっ!どいちまったら…楼栗が…あっ!うぐっ!…傷ついてしまう…それなら…俺が…傷ついた方がマシだ…」
「叶矢…もう…いいから!」
楼栗は俺を押しのけた。その時男は高く足をあげていて…
そのまま楼栗の腹へと落ちた…
「うぐっ!…アァ…いた…ぃ…」
「楼栗…!!」
楼栗は倒れた。
「……。ㇷㇷ…もういいわ…オイ…帰るぞ…」
「おい待てよ!!」
「もうあなたはイラナイ…つまんない…」
「は?」
つまらない?なんだコイツ…
「だから…つまんないし、私のモノになる見込みないからイラナイって言ったの。良かったわね、そこの倒れてる彼女さん。じゃぁね」
「おい待てよ…ちゃんと謝れよ…謝って許されることじゃねぇーけど。」
彼女は振り返って…
「えぇ。言うわよ…ちゃんと…」
「到言って去って行った。その振り返った彼女の顔は俺が言うのも変だけど…少し…切なげだった。
その後楼栗はすぐに病院に運ばれた。
楼栗は1週間目を覚まさなかった。
俺…ひどいことしたよな…。
どうしよ…楼栗が目を覚まさなかったら…。