泣き恋心


楼栗side

入学式からはやいこと1週間が過ぎようとしている。
私も紅も相変わらずバカやってて授業中に二人して怒られている。
ちえりはというとそんな私たちを見てニヤついている。ただの変人にしか見えないのだけど…。
私たち新入生はもうすぐ宿泊訓練がある。3泊4日の訓練は私にとって楽しみである。
ただ、その訓練で楽しみでないことが1つだけある。
それはというと…。

「楼栗!宿泊訓練楽しみだね!夜ずっと話せるよ!」
「そうだね!めっちゃ楽しみ!…けど…。」

ちえりが あっ! とした顔で

「そっかー!肝試しがあるんだぁ!楼栗…どーするの?苦手じゃん…」

そう、私は怖いものが嫌いだ。だからそれだけが嫌なんだよなぁ…。

「…んー。怖いよ…。アレがなきゃ完璧楽しみなのにな…」
「ん。でも私も優もいるし!何といっても紅くんがいるし!」

な、何を言っているの!この子は…。
紅にこのことが知れたらバカにされるに違いない。
バレたくないよぉー。

「ちえり!何言ってんのよぉー!アイツだけにはバレたくないよ。」
「何でよぉ!いいじゃん!!」
「絶対バカにされるもん。ヤダ!!!」
「そのうちバレると思うけど…」

はぁ…。この行事はサイテーだわ…。
肝試しなんて提案したのはどこのどいつだよ!
神サマの仕業かぁー!?そうだったら神サマを恨んでやる。
てか、神サマボケてたりして(笑)
とにかくうぎゃー!だ。
この3泊4日が終わるまで、いや、肝試しが終わるまで私はブルーだろうなぁ…。
神サマのドアホーッ!
一人でうぎゃうぎゃ騒いでいると、

「お前…こんなところで何してんの?…てか、一年生?」

ん?誰?先輩かな??

「あの…誰ですか??……てか、ここどこー!?」

私、いつの間にこんなところに…!?

「え…あーうん。俺。2年1組 坂田 叶矢。ここは中庭…。」

あー先輩か…。ってえぇ!?なんでここに!?

「今、何でここにいんの!?って思っただろー?」

なんでわかったのー!?先輩は笑ってる。私がビックリした顔をしてるからだと思う。
だってだって!今授業中!私は悩んでるからサボった。
紅に合鍵もらってるけど今会っちゃうとバレるから…。多分。

「俺はサボり。お前も?」
「…はい。そうです。ちょっといろいろあって。」
「てか、お前名前は?」

えっ名前!?あっ!いうの忘れてた…。

「えっと宮田 楼栗!」
「ふーん。楼栗ね…変わった名前。」
「そうですよね…ハハハ」
「でも俺、お前の名前…なんか好きだぞ?」
「えっ…?」
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