泣き恋心


叶矢side

2週間が経った。今日は売り済ます1週間前。
やっと楼栗が目を覚ました。
覚ました途端、楼栗が抱きついてきた。
俺は涙が出た。

「…ごめんな…こんな目にあわせて。」

楼栗は黙って首を横に振った。
そしてまた抱きしめる力を強めて

「私はあんなの何とも思ってないよ?叶矢が私から離れなかったらそれで私は落ち着くの。私は叶矢だけだから…」

嬉しいような、悲しいような感じだ。
でも

「俺は絶対離れないよ。俺も楼栗だけだから…」

俺の中で楼栗が消えることはこれから先もずっとないんだから。
楼栗を失ったら俺はグレるだろう…。
楼栗は大事な人。これから先ずっと一緒に居たいと思う人。

「楼栗…」
「ん?何?」
「まだかなり早いけど…卒業してお金がたまったら俺と…結婚してほしい。これから先、まだまだいろんなことがあると思う。でも。二人でそれらを乗り越えていきたいんだ…」
「え!?あっはい!私、これから叶矢と離れるなんて考えれないから…」

そっか…よかった。
楼栗とは死ぬまで一緒に居たいんだ…。

「ありがと。俺、守るから。…好きだよ…」
「うん。私も…好き」

そして俺たちは抱きしめあった。
2日後…。
コンコン…?誰だろ?

「あーい?」
「佐々木だけど…」

何のようだ!?

「何?そんな怖い顔して…何もしないわよ…今日はこの前あなたに言われた通り…謝りに来ただけよ」
「え…?」
「楼栗さん?この間はごめんなさい。私…どうかしてた…坂田くんがほしくてほしくてたまらなかったの…だけどあなたを必死に守る坂田くんを見てたら…あなたから奪えないわよ…坂田くんを…だから私…あきらめた…」

そうか…ちゃんとあきらめてくれたのか…よかった…

「大丈夫ですよ…百合花さん…。叶矢のこと誰だって好きになっちゃうと思う。」
「ㇷㇷッ…好きにならなきゃよかったわよ…でも今はもう彼氏居るのよ?紹介するわ…オイ…入れ…」

清そな感じから急にドスの聞いた声に変わった。

「はい!姫!お呼びでしょうか!」
「あーーーーッ!!!」

俺たちは叫んだ…。なぜかというと…
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