泣き恋心


ちえりside

私はパーティーに行った。
今ごろ叶矢くんと楼栗は楽しんでるんだろうな。
そんなことを考えていると
水口に話しかけられた。

「栄崎…ちょっといいかな…?」

は?何だろう…。

「別にいいけど何…?」
「ここじゃ、ちょっと言えないから中庭でいいかな?」
「別にいいけど…」

そして私たちは中庭に移動した。
そういえば前にもこーゆうパターンあった気がする。
しかも中庭…。

「で、何?」
「…うん…。えっと…その…」
「で、何!?もう!ハッキリ言ってくれないと困るんだけど…」

もうはやくしてくんないかな!こういうハッキリしない奴嫌い!

「あ…ごめん。えっと…俺は入学した時から…栄崎が好きなんだ!優と付き合ってるの知ってたから告えなかったけど今なら告えるかなって…」

…は?優がいなくなったことをいい気に今なら言えるって!?
最低だわ!てか、無理だし…。
私、涙梨一筋だし。

「いや…無理だよ?私、彼氏いますから!」
「…え!?彼氏いるの!?いつの間に…でも…俺を見てくれないかな…?」

だから無理だって言ってるし…。
しつこいな…

「無理だって!私、彼氏一筋なんだから!」
「わかった。でもあきらめないから!いつか俺を好きになってもらうから!とにかく今日は楽しもうよ!」

はぁ…ダメだこりゃ。

「はぁ…絶対ありえないから!でも今日は楽しむ!他の人と!」

そして私は走ってパーティー会場に戻った。
どうしたもんだかなぁ…。
めんどくさくなりそうだわ…。
私は楽しもうにも楽しめなかった。
その時

「ねぇ?ちえり…どうしたの?ため息ばっかりついてぇ~」

話しかけてきたのは入学してからずっと楼栗と私と3人で仲がいい、有間 優利(ありま ゆうり)。

「ん~別に。」
「あー!涙梨先輩のこと考えてたでしょぉ~!」
「えー!違うよぉー!」
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