ぷらっちなむ・パーフェクト
高倉健のような険しい表情で、毛虫のような太い眉。何よりでかい。身長は梅男と同じくらいの185cmほど。がっちりとした体格で、そのうえ角刈りと来ているから町を歩いていたら自然と道が開く。

「将一」

胸元に抱いた子猫がひょっこり顔を出した。見かけによらず生き物全般を愛している。

「あ、ちょっと親父に頼まれちゃってさ。。。」

動転している奈津は聞かれてもいないことを喋りだす。が、その言葉の途中で2階の窓は閉められた。ぴしゃっ

奈津は口をぽかん、と開けたまま酒屋の2階を見上げる。

答えを求めるように自動販売機を見る。自動販売機は答える代わりに「早く押せよ」と急かすようにボタンランプを赤く点等させているだけだった。

それまでバランスを保ちながら収まるべくして収まっていた頭の中のなにかが、ぐらっ と傾く感覚が襲ってくる。

しっかりと足を踏ん張らないと、自転車に跨ったまま地面に倒れそうだった。

なんだなんだ なんだ?

時間切れとなり、小銭が吐き出される。

「俺関係ないから」

と自動販売機に冷たく突き放されたような気がした。
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