ぷらっちなむ・パーフェクト
次の日。陽気なジャマイカ人でもぐったりするような真夏日の中、富田が水面を元気良く滑走していた。

富田を引っ張るのは5人の中で唯一船舶免許を持っている奈津。16歳になった時、信に無理やり取らされた。

「なんで?あのデブ。なんで?なんでデブ?」

「なんでデブかはわからないが、今目の前で不思議な現象が起きている」

梅男と紺が納得のいかない表情を見せる。

小太りの体型に隠れがちだが、5人の中で一番運動神経がいいのは何を隠そうこの富田である。

スノーボードでも余計な力は入らずに、実に綺麗なフォームで回転技を見せる。

ただ、腹が邪魔をして板を掴む「グラブ」という動作ができないため平凡な得点に終わっているだけだ。

奈津に次いで富田が水面に立てるようになると、それを見て勘の良い晴も立てるようになった。

今まで身体能力だけでやってきた梅男と、努力嫌いな紺が残された。
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