ぷらっちなむ・パーフェクト
「何か、気に入らねぇ」

「まったくだ」

結局この日も水面に立てないで終わった梅男と紺。

橋の欄干に寄りかかり、ウェイクボードに興じる都会からやって来た若者達を見下ろす。

「まぁ、まだ二日目だしな」

「だめだめ甘やかしちゃぁ。俺達には時間がないんだから」

せっかくの晴のフォローを無に返す富田。

「てめぇ!少しくらい立てるようになったからって調子にのってんじゃねぇ!この水ぶくれ!」

梅男が富田の首を絞めながら、橋の欄干にぐいぐいと押し付ける。

「ぐぇ、、、お、落ちる、、、落ちて魚の餌になってしまう、、、」

「うるせぇっ 腹を空かせた魚だってお前のことなんか食わねぇよ!」

富田の上半身は宙に突き出る。

「おい、お前ら」

ふいに声をかけられ、5人は動きを止め一斉に顔をその方向に向ける。
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