ぷらっちなむ・パーフェクト

タカと将一を先頭に、なにやら尋常ではない雰囲気で１０人ほどの集団がぞろぞろとこちらに向かって歩いてくる。

「ぶんぶんぶんぶんうるさいんだよ」

それぞれの手には釣竿と、釣った魚を入れるのであろうバケツが握られていた。

「なんだお前ら。みんなそろってオケラかよ」

梅男がそれぞれの手に持たれたバケツを見る。中身は空のようで、軽やかに揺れていた。

「やめろよ、あれ」タカは顎で川のほうを指し示す。

「魚が逃げちまうじゃねぇかよ」

「別にここはお前の川じゃねえんだ。いちいち指図される言われはねぇよ。それに、魚が釣れないのはヘタクソだからだろうが。釣りのヘタクソまで俺らのせいにすんな」

「自分達の川を荒らして、何とも思わないのか」

「んなこと言ってたら川で何もできねぇじゃねぇか。お前らがやってる釣りだってそうだろうが」