ぷらっちなむ・パーフェクト
ことの発端は、先日やっとこさ水面に立てるようになり、ご機嫌で滑走中だった梅男のアフロに釣り針が引っ掛かけられたことだ。

硬くスチールウールみたいなアフロ頭を指差しながら梅男がまくし立てている。

「おいこらてめえら!頭が取れるかと思ったじゃねぇかどうしてくれんだコンチクショー!」

「境界線を越えたお前らが悪い。それと、剛毛はこのリンスを使え」

と小豆色のリンスを梅男の前に突き出し、将一も譲らない。

「境界線越えたら人の頭に針引っ掛けてもいいってのか?」

「少なくとも、文句は言えないな」

リンスは無視して梅男が将一に詰め寄る。またも両者譲らず。一触即発。臨界点はもうすぐそこだった。

「ぷ~~~、ぷすっ」

間の抜けた音が橋の真ん中で鳴り響く。

「臭っ、、、」

その場の全員が顔をしかめ、手をパタパタさせる。

「富田、、、お前何食ってんの?」

「とりあえず昨日は、肉とじゃがいも」

富田の屁によって梅男VS将一の超人対決は回避された。
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