ぷらっちなむ・パーフェクト
「SMAP」

「マッチ」

「ピンはダメでしょ」

「なんでだよ」

「グループじゃないじゃん」

「CD出してればいいんだよ」

「だめだって」

「モノマネするから許して」

「だめだって」

「きったまち~か~どの~」

「似てないし。だめ。似ててもだめだけど」

最高潮を迎える梅男と富田の古今東西。

すっ転んで壇上の階段に頭を打った奈津は、額から大量に出血。その手当てのため、開会式は一時中断された。

「ほんとに大丈夫なのか?君」

「あ、はい。大丈夫です」

大会スタッフに入念に確認をされたが、奈津はそう答えた。小心者の運命。奈津は、仮に骨折をして脂汗を流しながらでも同じ答えを返すだろう。

包帯とネットを巻かれ、見舞い用のメロンみたいになった頭で壇上にあがった。開会式、再開。

壇上の上で見舞い用メロンが手を上げる。隣に立つアキもそれにあわせて手を上げる。

そして、選手宣誓は始まった。他ではなかなか見られない最高の選手宣誓。せーの。

「われわれは!」
「宣誓!」

交互に言うところ、同時に言っちゃった。
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