ぷらっちなむ・パーフェクト
「そのチラシは俺達のものじゃない」

声のするほうを見ると、橋の南側からいつの間にかタカが10人ほどの釣り仲間と共にこちらに向かって歩いて来ていた。

「こんなことするのはてめぇらしかいねぇだろうが!」

梅男は言葉の向け先を将一からタカに変える。

「俺達だけ?」

「そうだよ。魚が釣れねぇのを俺たちのせいにして、目の敵にしてるお前らだよ」

「町のみんながそう思ってるとは考えないのか?」

「まだすっとぼけんのか!」

梅男が全身を震わせ大声を出す。そのたびに掴み合った将一と梅男の腕は大きく揺れ、ぶら下がる晴は振り回される。
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