ぷらっちなむ・パーフェクト
奈津は土手に座り、溜息をついていた。オレンジ色の夕日を波打つ川が反射し、キラキラと輝いている。

「ひぁあ!」

左頬に刺すような冷たさを感じ、情けない声を出してしまった。

那美が手にグラスを持って立っている。予想以上の反応に、若干呆れ気味だ。

「あんた、ほんとわかりやすいわね」

奈津にグラスを渡しながら那美が言う。グラスの中身は夕焼けのようなオレンジ色。表面にうっすら浮かぶ水滴が涼しげだ。

「え?」

「アイツからは大体の話しか聞いてないけどね。あんたの顔見たら、全部わかったわよ」

那美はウッドデッキで正座させられている梅男を親指で示す。

スキー場のこと。ウェイクボードのこと。川のこと。いつも必要以上のことは詮索しない那美だが、今回の事は大体お見通しだった。
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