ぷらっちなむ・パーフェクト
異変に気付いた将一が桟橋に駆けつけようとしたその時。

こちら側まで プツン という音が聞こえてきそうなくらい見事に釣り糸が切れた。

その反動でタカ達は後ろへと吹っ飛ぶ。勢いあまって2,3人が川へ落ちた。

「だーっはっはー!」

今までのうさを晴らすように梅男が立ち上がり大声をあげる。

「元気だねー!こんな暑い日におしくらまんじゅうですかー!」

「これは三流青春小説じゃないんですよー!」

聞こえよがしな梅男に富田も加わる。

隣の奈津は、変な胸騒ぎを覚えながらその様子を見ていた。

全く思い描けない真っ二つに割れた町の修復方法とは別の、何かわからないが正体不明の胸騒ぎだった。
< 126 / 185 >

この作品をシェア

pagetop