ぷらっちなむ・パーフェクト
真上から照りつける太陽。

思わず辺りを見渡す。

うるさいほどの蝉の声。それが、一瞬静まり返り、辺りは一瞬無音の状態となった。

その時。

川の真ん中ほどに放り込んだ浮きが一瞬沈みこむ。

タカは立ちあがり、リールを勢い良く巻き始めるが、途中でリールを回す手が止まる。引きのパワーが尋常ではなかった。

ほぼ間違いなく、昨日の当たりと同じだ。

釣り部隊の面々はタカの周辺に集まり、固唾を飲んで見守る。いつでも加勢できる態勢だ。

一瞬引きが弱まり、タカはその隙を逃さない。勢い良くリールを巻く。

と。

富田がその信じられない光景を目の当たりにして目を皿のように大きく見開く。

体長１０ｍほどの真っ白な巨大魚が轟音と共に水面から飛び上がり、大量の飛沫を舞い上げながらまた水面へと消えていった。ばっしゃーーん。

「なんじゃありゃ。。。」

ようやく富田の口から出てきた言葉。

紺と晴は口をあんぐりとあけて見るしかなかった。
< 128 / 185 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop