ぷらっちなむ・パーフェクト
「あ、ありがとう」

岸に引き上げられた奈津は、自分と同じようにびしょ濡れのタカに小さくお礼を言った。

「引っ張ったのは将一だ」それだけいうと、タカは桟橋の方へと歩いていってしまった。

奈津はマサカズを見る。

「針を引っ掛けたのはタカだ」

奈津は自分の首根っこに手をやる。ウェットスーツの襟首に大き目の釣り針がしっかりと食い込んでいるのが感触でわかった。
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