ぷらっちなむ・パーフェクト
「タカ、それすごいね」

釣り部隊の面々は、タカの履いて来た靴をまじまじと眺めていた。見ると、爪先部分には鋭いギザギザが施されていた。エベレストにでも登りそうな勢いだ。

「昨日は踏ん張りが効かなくて持ってかれたけどな、これで大丈夫」

そんな問題?

「竿も、糸も海外特注だぜ。日本ではお目にかかれないような大物用だ。まさか本当に使う時が来るとは思わなかったけどな」

意気揚々と桟橋に向かい、勢いよく釣竿を振るタカの背中に誰も何も言えなかった。

どこの川でもそうだが、川には色々な漂流物が流れ着く。

ビンやカン、薄汚れたサッカーボールやゴムボール。さらには木片など。

木片も長い海の旅の中で、荒波にもまれ、岩に削られ、色々な形、大小様々な大きさになり川に流れ着く。

そうとなると、ウェイクボードと同じような形をしたものが浮かんでいても全く不思議ではない。そう、ウェイクボードみたいな木片が浮かんでいても。
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