ぷらっちなむ・パーフェクト
「なんだありゃ」

竿を手に危なっかしく水面を滑走するタカを見て梅男が甲高い声をあげる。

「風呂の蓋かな」

富田。

奈津は頭の中で何かがゆっくりと形作られていくのを感じていた。

「ウェイク、、、ボード?」

語尾があがり疑問系になった紺。

「滑ってる、な」

晴。

タカが釣り竿を勢い良く振るう姿と、歓喜の声をあげて水面を滑走する梅男。二つの映像が奈津の頭の中で交錯する。

「ちょっとおい、、、」

タカがこけた。厄介な事に川の真ん中辺り。

「やばいんじゃねーか?あれ」

梅男の言葉通り、巨大魚がタカの方へと向きを変える。

慌しくなった周りの空気で我に返った奈津は、組みあがっていく頭の中を一旦放棄して走り出した。
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