ぷらっちなむ・パーフェクト
先にたどり着くのは巨大魚か?奈津か?はたまた、奈津か?巨大魚か?

奈津は左手を伸ばしながら、猛スピードでタカに迫る。それと競うように巨大魚が一瞬沈み込む。

ざ  っぱーーーん

巨大魚は大きな放物線を描いて飛び上がると、大量の水飛沫を舞い上げながら水面へと吸い込まれていく。

見とれてしまう美しさと、底知れない力強さが伝わってくるような躍動感。そんな巨大魚の姿を目の当たりにすると、人間なんてとってもちっぽけな存在に見えてしまう。

舞い上がった飛沫は霧状になり、小さな虹を浮かび上がらせる。

梅男達4人はプレーリードッグのように状態を伸ばし、息を飲んで様子を見守る。

大きく波打つ水面。薄くかかった虹。その虹の向こうに、右手でアクセル、左手でタカの襟首を掴み水面を疾走する奈津の後姿があった。

富田と紺が顔を見合わせてにやりと笑い、叫ぶ。

「かっこいー!!」
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