ぷらっちなむ・パーフェクト
「これで借りがなくなっただけだからな」

桟橋に引き上げられたタカは、肩で息をしながら言う。

「タカ」

「わかったらさっさと帰れ」

「力を貸して欲しいんだ」

聞く耳を持たないタカに怯まずに奈津が言う。

「僕もこの川が好きだ。魚にも戻ってきて欲しいと思ってる」

タカは奈津に背中を向けたまま黙っている。

「あいつを何とかしなきゃいけない」

奈津はタカの背中に向かって話し続ける。

「僕達が力をあわせれば、何とかできるかもしれない」

タカは相変わらず背中を見せたままだ。

「だから、協力してくれないか」

いつもより小さく見えるタカの背中。

タカが答えるのを辛抱強く待つ。

「奈津!!」

大きな声で呼びかけられ、土手を見上げると梅男達4人が立っていた。
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