ぷらっちなむ・パーフェクト
「なんでお前が仕切ってんだっつーの」

梅男が土手を降りてくる。それを遮るように将一が立ち塞がる。その距離は、鼻と鼻が今にもくっつきそうな勢いだ。そして。

がきーん!

富田が手の平で両目を覆う。が、指の隙間からばっちりと見てる。将一が梅男の顔に一撃を入れた。やっぱり鈍い金属音。

しばらく睨みあうと、二人は同時に右腕を振り被る。富田は今度こそ手で両目を塞いだ。

次の瞬間、桟橋に大きな音が鳴り響いた。

だが、今度は鈍い金属音とは違う。ちょっと頭に抜けるような、高く乾いた音。

富田が恐る恐る指の間から2人を見る。梅男と将一ががっちり手を握り合っていた。

「今のであおいこだ」

「おうよ。いちいち数えてんなよ気持ち悪い」

「お前もだ」

将一が手に力を込めて言う。梅男も負けじと力を込めて握る。シェークハンド。友情の証。
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