ぷらっちなむ・パーフェクト
「なによ。驚かさないでよ」

太いとまではいかないが、中太りの体系は熊を連想させた。

「よくわかったわね」

「ん?」

「ここにいるって」

明は目を少し細めただけで短く答える。

「まぁ、、、これでも親子だからな」

「そうね。付き合い長いし」

明は何も言わずに短く笑う。

いつも迎えに来てくれた時は、決まって夕日が山に差し掛かる前。

今回は完全に山に隠れていた。

「久し振りだからな、ここも。少し迷った」

明は照れ隠しに頭を掻く。

少し遅かったけど そう口に出そうとしたが、自分もここまでたどり着くのに時間がかかったことを思い出し、やめた。その直後の言葉だっただけに少し驚いた。

「なんだっけなぁ、小林さんだっけか」

明の言葉にぴんと来ない満里。

「え?」

「ほら、そこの木」

獣道となっている入り口に立つ木を指し示す。

頭の中で音がした。何かのスイッチが入ったような。それをきっかけに、満里の頭の中から泉のように記憶が湧きあがってきた。
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