ぷらっちなむ・パーフェクト
こみあげてくる笑いをこらえながら、今度は体ごと後ろを振り向ける。

明がここを覚えていたこと。昔に比べて若干時間がかかったようだが、迎えに来てくれたこと。全てがとてもうれしかった。

「帰ろうか」

「あぁ」

満里は最後にもう一度町の方を振り返る。ぼんやりと輝き始めた町の灯りが、今度は 久しぶり と言ってくれているように見えた。

満里は昔のように明の手をとって歩き出す。

明は一瞬驚いた表情で満里の顔を見たが、すぐにまっすぐに戻す。

明の手は、あの頃と変わらずに柔らかく、とても温かかった。

意外な相手からの突然の電話は、そんな日の夜にかかってきた。
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