ぷらっちなむ・パーフェクト
「何もしないで黙って諦めるってことが、できないのよね」

バランスを大きく崩していた富田が体制を立て直すと、両岸から歓声のようなものがあがる。

「でもね、それって大切なことだと思うの」

那美の言葉が満里の胸に突き刺さる。

「だからわたしは、あの子達のために出来る限りの協力をしているの」

「那美さん、、、あたし、、、」

どうすればいいですか?

涙で喉をふさがれて言葉が出てこない。

「別に、特別なことをする必要はないのよ」

満里の言葉には答えずに話を続ける。那美なりの気遣いだ。

「その瞬間その瞬間で、自分にできると思ったことをすればいいだけ」
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