ぷらっちなむ・パーフェクト
スタート地点から斜面上を見上げると、ウェアをはためかせ直滑降で滑り降りてくるスノーボーダーが見えた。今ようやく米粒大。

「あ"--!!」

ライダーがぐんぐん近づいてきてその大きさが小豆大になる頃には、その正体が判明する。

その猛スピードのため発生する風圧に、これっぽっちも屈すること無く繁生する丸い植木のような立派なアフロ。梅男だ。

「い"--!!」

トップスピードに乗ったまま、スタート位置に立つ奈津達4人と、ニコニコしながら立ってるだけのキャンギャルの間を通り抜ける。ギャン!

梅男が猛烈な速度で通り過ぎると、一瞬遅れて吹き付けられる風圧でその短いスカートがめくれあがる。

「キャー!」

キャンギャルは両手でスカートを押さえたが、一瞬遅かった。

奈津達4人は腕を組む姿勢は変えず、顔の向きだけキャンギャルに向けていた。さっきからの凝視の狙いはこれ。
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