ぷらっちなむ・パーフェクト
人として、女として。この人は自分の遥か先を歩いている。そう肌で感じた。女の勘だ。

「例えば、一緒にいてくれるだけで力になれるときってあるじゃない」

このまま何もせずに閉山を迎えれば、後悔の念に打ちひしがれる自分。

わかっていた。全部気付いていた。ただ、その現実に目を背け、気付かないフリをしていただけだ。

那美にはきっとその全てが見えていたのだろう。満里こうしてこの場所にいるのは、那美のお膳立てなのだ。

応えよう。この人の気持ちに。そして、将来この人のような女になるんだ。

この場所に来た。みんなとひとつになって戦った。やるべきことはやった。その結果がどうであろうと、将来胸を張ってそう言えるように。

かっこ悪くても、みっともなくても、足掻いてみせる。あの山は、わたし達のものだ。

涙はもう隠さない。本当の自分の姿で、みんなと肩を並べて戦うんだ。
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