ぷらっちなむ・パーフェクト
涙の後は水分と塩分の補給を忘れずに。

こんな時なのに、昔に見た梅干しのCMを思い出す。

「那美さん」

「ん?」

「梅干し、あります?」

那美は訝しがることもなく笑顔で答える。

「あるわよ。最高に酸っぱいのがね」

満里は噴き出す。

「あたし、、、」

満里が涙の溢れた目を手で拭う。

「あたし、行きます」

満里は涙と笑顔の混ざった表情を見せる。しかしそれは、前に外房線で見せた悔し泣き笑いとは違う。前向きな、嬉し泣き笑いだ。んーややこしい。

那美は黙ってうなずくと、小走りに桟橋へと向かう満里の後ろ姿を見送った。
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