ぷらっちなむ・パーフェクト
「だめだ、あの距離からが断然激しくなってくる」

岸に引き上げられた富田は方で息をしながら漏らす。

「まったくだ」

こちらも富田と同様、岸に引き上げられた梅男。後発のくせに富田と同じタイミングで岸に引き上げられた。

「3秒で川に刺さった人が何言ってんの」

「うるせぇ。5秒だ」

今回の梅男はともかく、巨大魚から距離10mまでは比較的簡単に近づくことができる。だが、そこから先に近づけない。

釣り糸に遊びがなくなる分、方向転換の際に素早い反応が必要とされてくるのだ。

2人がどうしたものか、と思案する中、川では奈津が巨大魚に3度目の挑戦をしかけていた。
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