ぷらっちなむ・パーフェクト
満里がこの町、この空間にいることについてではない。

満里の立っている場所、ポジションについてを言っている。

「そんなとこに立ってても、何の役にも立たないだろ」

まったく、那美さんといい紺といい。すべてお見通しか。

「あの夜と同じことだけはすんなよな」

「言われなくても、、、え?」

紺は振り向く。

「待ってたら、一生何も起こらないぜ。アイツの場合」

起きてたのかー!コイツ!

「盗み聞きなんて、趣味悪いのよ!」

「へいへい」

ペンションでの最後の夜を思い出し、満里は顔を真っ赤にする。

勇まし恥ずかし。

耳まで真っ赤にしつつも、桟橋の先端にしっかりと立つ。その言葉通り、共に戦うのだ。

両手を前に組み、心の中で強く願う。

奈津 負けないで
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