ぷらっちなむ・パーフェクト
巨大魚の尻尾がもう目と鼻の先ほどの距離まで詰め寄った。だが、容赦なく浴びせかかってくる水飛沫が目に入りぼんやりとしかわからない。
恐怖だとか疑問だとか、そんな事を感じる余裕は無かった。
方向転換するたびに水飛沫でぼんやりとした視界から巨大魚が消える。
ぼうぼうと言う風きり音に聴覚も奪われ、機能しているのは三半規管と足裏の感覚だけとなる。
いちいち考えていては対応できない。全身の神経を研ぎ澄ませ、考えるより早く右へ左へと反応していく。
奈津は目を閉じ、半ば役に立たなくなった視覚を断つ。川のどの辺に位置しているのかはもうまったくわからない。
釣竿を握る手は固まってしまったかのように開くこともそれ以上強く握ることもできなかった。
恐怖だとか疑問だとか、そんな事を感じる余裕は無かった。
方向転換するたびに水飛沫でぼんやりとした視界から巨大魚が消える。
ぼうぼうと言う風きり音に聴覚も奪われ、機能しているのは三半規管と足裏の感覚だけとなる。
いちいち考えていては対応できない。全身の神経を研ぎ澄ませ、考えるより早く右へ左へと反応していく。
奈津は目を閉じ、半ば役に立たなくなった視覚を断つ。川のどの辺に位置しているのかはもうまったくわからない。
釣竿を握る手は固まってしまったかのように開くこともそれ以上強く握ることもできなかった。