ぷらっちなむ・パーフェクト
「那美さん!フィンとゴーグル!それから水中ライト!」

晴が大きな声で叫ぶ。那美がログハウスに向かってはしりだす。

満里は、どうしていいかわからずに立ち尽くしているだけだった。

先ほどまでの出来事が現実であることを物語っているのは、川の小波だけ。当事者たちの姿は消えた。

向こう岸で梅男が水泳の飛び込みポーズをし、まさに川に飛び込もうとしている。

富田がその露になった下半身を隠そうとウェットスーツに絡まったパンツを引き剥がそうとしている。

那美がフィン、ゴーグル、水中ライトを手にログハウスを出てくる。慌てているのかその3点セットに加えモリと浮き輪まで持っている。

同じく慌てているのであろう晴が3点セットに加えモリを手に持ち浮き輪を頭からかぶろうとしている。

紺が、頭から浮き輪をかぶろうとする晴に 「必要ないよ」 と諌めようとしている。

無駄な動きが多すぎるが、それぞれが奈津救出作戦に乗り出そうとしたその時。

奈津が川の真ん中に ぽこん と浮かび上がった。
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