ぷらっちなむ・パーフェクト
川の中央で大混乱している梅男と富田をよそに、奈津は桟橋に引き上げられる。

「奈津、、、」

「満里」

なんでいるの?とは聞かなかった。もう余計な事は考えない。満里の声でがんばれた。満里がここにいることがただうれしかった。それでもう充分だった。

「うえーん」

満里がひょこひょこと歩み寄り、奈津の胸で泣く。奈津もそれを受け止める。

周りの目とか、身に纏う服に水がしみてくるとか、そんなことは気にもせず子供のように泣きじゃくる満里。

初めて見せるその姿も、奈津はすべてを受け止める。

橋の向こうで轟音が鳴る。見ると花火が打ちあがっていた。
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