ぷらっちなむ・パーフェクト
「わーん!」

最初の掛け声で梅男は勢い良くハーフパイプに身を落とす。

「つーー!」

掛け声その2、でハーフパイプの底を低い姿勢で踏ん張り加速していく。ぐん!

「わーーーん!!」

最後の掛け声で、体格に恵まれた梅男の体が空中へ飛び出した。

「スリーじゃないのかよ」

富田が遥か上空に舞い上がった梅男を見上げる。

「今年はどこまで飛ぶかな~」

額に手をかざし、太陽光線を遮りながら晴。

空には目に痛いくらいの青空が広がっている。

特大ジャンプが放物線の頂上に達すると、梅男は空中で両手両足を大きく広げて叫んだ。

「ぱーーーん!」

こちらも毎年恒例、人間打上花火。

世界は広い。人類は偉大だ。

冬の花火だって、大空を鳥のように飛ぶことだってこうして実現できるのだから。
< 18 / 185 >

この作品をシェア

pagetop